従業員220人の製造業
メンタル不全の求職者が増加
【現状と課題】
メンタル不全が原因で休職する社員が年々増加傾向にあり、現場でも対応に追われている。
社員にメンタルヘルスに関する基本的知識はなく、「本人の性格の問題」「単に気持ちが弱いから」などの間違った理解をしている人が多数。
職場改善の必要性に気づき始めている人事担当者や社長が危機感を覚え、
全社的なメンタルケア対策を行うことが急務となった。
現状分析を丁寧に行って、各部署ごとの傾向と特徴を把握
【第1段階】
人事の方から休職中の社員の現状を確認し、その社員の上司にヒアリング。
普段の働きぶりや行動、仕事内容の変化など、チェックシートをもとに細かくヒアリングしながら、職場全体の取組みや意識などについてもお聞きした。
【第2段階】
部署ごとに無記名アンケートを実施。職種によってストレス要因の違いが明確になった。さらに、各部署から3〜5人ずつヒアリングをするうちに、管理職の知識のなさからメンタル不調者に対して「本来のラインケアとは真逆の指導」が行われていること、さらに相談窓口につなげるアドバイスが行われていないことが発覚。
実施段階は、チェックシートを使って客観的に実行
【実施内容】
そこで、課題解決のために休職者への支援と管理職へのアドバイスを同時に行うことを提案。
まず休職者に対しての適切な関わり方をシートにまとめて、「誰が」「いつ」「どのようにアプローチし」「誰と情報を共有し」「チェックするか」の具体策を提出。
さらに復職プランの立て方やヒアリングする場合の注意点などをアドバイスし、ロールプレイングでのトレーニングを行った。
管理職に対しては、ラインケア研修を3回にわたって実施。(各2時間)
メンタルヘルスマネジメントの重要性や意義、ねらい、ストレスに関する基礎知識、普段気をつけるポイント、部下との関わり方、メンタル不調者への対応など事例を交えてレクチャー。現場での課題抽出を行い、ディスカッションを行った。
今起こっていることに対しての危機感をあらためて実感していただき、管理職が中心となり、全社をあげて取り組む必要があることを認識していただいた。
メンタルヘルス対策を継続的に行うために
【今後の対策】
社内でのメンタルヘルス対策室を準備。さらに従業員全員へのメンタルヘルス研修を行い、定期的なカウンセリングを行う仕組み作りを提案。
セルフケアに関しては、若手社員を中心に3回実施予定。来年度からは「メンタルヘルス基礎知識」を新入社員研修(4月中旬)に取り入れていく。