
左 飯田元 教授
右 新井イスマイル 准教授
奈良先端科学技術大学院大学の
「最先端」
情報・通信分野で最先端の研究と次世代の技術者育成に取り組む「国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学」。中でも多方面から注目を集めている起業家育成プログラム「GEIOT」について、情報科学研究科 飯田元教授にお話をお聞きしました。
インタビュアー:
MNキャリア代表
キャリアコンサルタント 高橋紀子
Q:「GEIOT」はIoTの分野における起業家を育成するプログラムなんですね。
A:そうなんです。もともと大阪イノベーションハブがベンチャービジネスを支援していたのですが、産学官連携でさらに進めていたくために、2015年に私たちもその運営組織と連携して起業家支援プログラムをスタートしました。
情報科学研究科では、これまでソフトウェア、ロボット、セキュリティの分野で人材育成に力を入れてきたのですが、さらに実践的なビジネスそのものを創り出す人、アントレプレナー育成へと展開してきました。
Q:このプログラムでは企業とコラボし、実際の商品化が実現したチームもあるそうですね。
A:学生たちが興味のあるテーマを出し合い、テーマが近い者同士がチームを作って共同研究・開発したのですが、起業にまでこぎつけたものもあります。
その一つが、つっぱり棒で有名な平安伸銅工業株式会社とのプロジェクト。防災をテーマに、家具の転倒をリモート通知してくれるつっぱり棒の商品に向けて、学生が作った会社との協業に発展しています。
Q:普段の研究室から実社会へと活躍の場が広がったんですね。学生さんには、とてもいい刺激になったんじゃないでしょうか。
A:そうですね。学生や社会人がチームを組んでアイディアを出し合うことから始まり、数々の試行錯誤を重ねて商品化されたことは、実践的なビジネス視点を養う上でも本当にいい経験になったと思います。
Q:いかに社会で必要とされ、ユーザーに求められるモノ創りをするか、という考え方を学ばれたんですね。
A:そのユーザー目線は技術者にとってますます大切になってきます。自分の専門を磨きつつもそれ以外のことにも広く目を向け、どの分野もわかるような柔軟性を持つことでまた新たな発想が生まれる。
そのためにも、GEIOTプログラムのように多様な立場や経験、考え方の人たちと積極的に関わり、協力し合う場がとても必要です。
Q:なるほど、さまざまな人との協働プロジェクトで成長できるんですね。さらに、技術に裏打ちされた企画力だからこそ、売れる商品開発が実現するということも実感できるわけですね。
A:その面白さをわかってもらえると、プロジェクト終了後もより一層、熱心に研究開発に励んでいけるようです。こうした活動を通して、確かな技術とビジネス視点を兼ね備えた人材がどんどん育ってくれると思っています。
Geiotの発展プログラムであるクロスバイクロスでは、イノベーション実現に必要な「技能や個性の異なる他者を巻き込み/協働することで、くじけずに困難に向かって突き進む」ことのできる人材育成を目指して、ワークショップを行います。技術を形にする実践力を鍛える場になり、さまざまな相乗効果が生まれそうです。
■11月5日(日)シーズ駆動型アイディアワークショップ
・時間/13:00〜17:00
・場所/大阪イノベーションハブ
(大阪市北区大深町3番1号グランフロント大阪 ナレッジキャピタルタワーC 7階)
・対象/大学生、高校生、大学院生、社会人等(専門分野不問)
・参加費/無料
【技術テーマ】
今回のワークショップでは以下の4つの技術テーマいずれかを元にしたビジネスプランを作成します。
それぞれのテーマについての専門知識は必要ありません。
詳細な技術情報については必要に応じて奈良先端科学技術大学院大学から提供・解説を行ないます。
【プログラム】
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12:30 開場
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13:00 オープニング
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13:10 セットアップ
1)ショートレクチャー(ビジネスプランニング、WSの進め方)
2)技術シーズの説明とチーム分け
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13:50~16:20 グループワーク(事業構想の制作)
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16:20 制作発表
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17:00 講評・フォローアップ
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17:30 クロージング
https://geiot-intra.naist.jp/crossxcross201701/signup
■12月9日(土)地域課題解決型アイディアワークショップ
・時間/13:00〜17:00
・場所/大阪イノベーションハブ
(大阪市北区大深町3番1号グランフロント大阪 ナレッジキャピタルタワーC 7階)
・対象/大学生、高校生、大学院生、社会人等(専門分野不問)
・参加費/無料