「企業理念をいかに浸透させるか」が人材育成の基本

2017-08-03

専務取締役 中田勝治様

「世界一の靴下総合企業」を目指し、日本国内をはじめイギリス、フランスに280を超える店舗を持ち、グローバルに展開する「タビオ株式会社」。その躍進の要として商品研究、品質テスト、生産部門を担う「タビオ奈良株式会社」の専務取締役 中田勝治様に、早くから取り組んでいらっしゃる人材育成の秘訣についてお話をお聞きしました。

 

■企業理念をいかに浸透させるか?

私たちの企業理念は「顧客中心」「熱愛」「不易流行」「和」。この4つには働く目的や目指すビジョン、社員としてのあり方などのすべてが集約されているので、ここに込められた創業者の思いや真の意味を社員一人ひとりに浸透させることを第一に考えています。

単なる言葉の理解で終わらせるのではなく、企業理念を普段の考え方や行動指針に落とし込み、日常業務で実現できるように支援することを人材育成の柱としています。

 

例えば、理念の一つである「顧客中心」。もの作りは「顧客が求めるものを生み出す」わけですから当然と言えば当然なのですが、それをいかに「情熱(熱愛)」を持って、徹底的に追求するか。それが、支持される商品を創り出せるかどうかの大きな鍵なのです。

 

また、どんなに時代が流れても変わらないもの、変えてはいけないもの、変えなければならないものがあるという「不易流行」を基本に商品開発を行っているのですが、一人でやるには限界があります。

だからこそ、2人、3人で様々な観点から時勢を見極め、知恵を絞って意見を出し合い、時にはぶつかりながらも話し合いを重ねることが必要なのです。

ただし、これには相当なエネルギー、熱愛が要りますね。また、何でも言い合えるという仲間への信頼感があってこそ成り立つものなので、普段の関係性やチームワークがないとクリエイティブな発想も出ない。ヒット商品を生み出し、それを高い品質で効率よく生産し、国内外で販売するというすべての仕事には「和」という、良好な人間関係が必須なのです。

このように、日常業務の中で企業理念を実感し、成果につなげられるような人材育成を心がけています。

 

■人材育成の鍵となるのは「面談」と「仕組み作り」

モチベーションや仕事への動機付けは人によってそれぞれ違うものですから、それらを上司がしっかり把握した上で育成することが重要です。その最たるものは、上司が部下に対して行う「面談」です。

面談をどう行うかで部下のモチベーションを上げることもできますし、逆に下げてしまうことにもなるので、面談スキルと丁寧に取り組む気持ちが必要なのですが、そのポイントは3つあります。

1つ目は部下の「価値観」をしっかりと掴むこと。つまり、何がその人の原動力となっているのか、仕事をする上で何を大切にしているのか、といった部下の考えに興味を持ち、その思いをしっかりと受け止めることが大切です。

 

2つ目は部下の長所を見て「承認」すること。上司は部下のできていないところにばかり目が行くものですが、人はマイナス面を指摘され続けると意欲が低下してしまいます。そうではなく、その人の持ち味や頑張っているところを具体的に承認し続けること。

それを繰り返すうちに自然と意欲が高まって成長スピードが速くなります。長所を見つけられるように部下をよく見て、言葉をかけ、自ら動くように待つことが上司の大切な仕事です。

 

そして3つ目はそれを継続すること。面談力は一朝一夕では身につきません。さまざまなタイプ、能力、モチベーションの部下と向き合うためには面談の目的と意義を理解し、本気で取り組み続けることが大切です。

回数を重ねるうちに面談力も上がりますし、そうした上司の姿を見て部下の本気度も変わってきますので、徐々に面談が効果的な時間になっていきますね。

 

■自発的に考え、行動に移すための仕組み作りとは

頭でわかっていても行動できなければ、意味がありません。そのために必要なのは、自ら考え、意見を発表し合う場作りです。具体的には1ヶ月に1回、全社でグループワーク型の研修を行っています。

幅広く人間学を学べる月刊誌を読んで感想文を書き、それをもとにグループディスカッションを実施。数人のグループで話をすることによって、自分とは違った価値観や考え方に触れることができ、相互理解が深まる効果があります。

さらにグループ代表が発表するのですが、その内容もプレゼンテーションスキルも回を追うごとに上がっているのが一目瞭然で、お互いにとっていい刺激になっていますね。部署を超えてコミュニケーションが活発になり、全社意識が高まっています。

 

他にも月に1回、PDCA発表会を行っているのですが、地道に続けてきたことで「課題発見→解決策を考える→それに取り組む→共有する→次の目標を立てる」という組織風土ができてきました。

たとえ小さな問題点であってもそのままにせずにチームで話し合うことで、より働きやすい環境、より効率的な仕事の進め方を自分たちで作っていけるんですね。

 

こうした取り組みのすべてが人材育成の基盤として徐々に根付いてきたのだと思いますし、それは確実に業績に反映するものです。

一人ひとりの育成をすることで会社として成長している、その実感があるからまた継続して取り組んでいける・・・そうした好循環が回り出すまで、忍耐強く仕組み作りを続けることが大切なのだと思っています。

カテゴリー : INTERVIEW, 人事担当者インタビュー
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作成者 : ならキャリア.net

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